「(そっか。このあと倒れたんだな。きっと冷たかったはずだ。……あー話が繋がった。ツバサくんはわたしを温めようとして一緒にベッドに入ってくれて、わたしが目を覚ますまで起きててくれたんだ)」
一人納得してると、いきなり黙ったからキサが心配そうに見ていた。
「あっちゃん何かあった?」
「ううん。みんなはやさしいなーって、思ってたところ」
そうこうしているうちに、あっという間に那覇へ到着。葵たちは他の生徒たちと合流し、別の飛行機に乗って帰宅していった。
帰りの飛行機は、みんな死んだように爆睡していた。ダイビングをしたキサも、うとうとと眠たそう。
「キサちゃん寝ちゃえばいいのにー。わたしについて起きてなくてもいいんだよ?」
「……だって。あっちゃん。さみしい。じゃん……」
「そんなキサちゃんを無理矢理起こそうとするほど、わたし鬼畜じゃないよ?」
「……だって。何にもすることないし。男子も寝ちゃってるし……」
男性陣も、いつもはうるさいけれど、今はスヤスヤと可愛い寝顔で眠っていた。
「……あ」
「ん~? どうしたの……?」
そういえば、キサに言おうと思っていたことを思い出す。
「でも、せっかっくだから寝させてあげたい……」
「え。そんなに目が覚めるようなことなの?」
「そうかどうかはわからないんだけど……」
「えー。気になるー。教えて教えてー?」
「……じゃあ、これ聞いたら寝ちゃっていいからね?」
「うん。……本音を言うと、今現実と夢をさ迷ってるから。聞いたらお言葉に甘えて寝るよ~」
そんな様子のキサに、葵は可愛いなあと思いながら、耳打ちで教えてあげた。



