『信じられない…なんで、なんでこの私がっ!』
怒りだか焦りだか何だかわかんないけど、体がワナワナ震える。
なんで私がぁ!!!
あの【悪女】、天宮李和なのよ!!!!
ーーーーーー“前世の私”が大嫌いだったあの悪女の名は、何を隠そう天宮李和。
それはつまり、今の私自身である。
前世で17という若さで死んでしまった私はどういうわけか大好きだったあの小説の世界に転生したようなのだ。
しかも悪女へと!!
なんなのこれ!なんの仕打ち!
ちなみに記憶を取り戻したのは昨夜見た夢のせい。
走馬灯のようにパッパッパッと切り替わっていく映像を眺めているうちに、記憶がぶわわっと蘇ってきたのだ。
…思い出すんじゃなかった…。
いや、思い出せてよかったのか…?
