「会わせたい人がいる」
父さんがそう言ったのは六年前のこと。
言われたところで一体何のことかわからない俺は、ただ父さんに連れていかれるがままにレストランへ向かい…。
そこで、ほわほわとした可愛らしい女性と、その隣で俺と同じようにきょとんとした、猫目が印象的な女の子と出会った。
それが、今のお母さんと、李和との出会い。
最初のうちは、突然のことで訳もわからず反対も反発もした。
けど、たった二つ年上なだけの李和は、俺と同じ状況に置かれていたにも関わらず…ただ静かに、受けていれていて…。
自分はなんて子供なんだろうって、恥ずかしくなったのを覚えてる。
その一年後、父さんとお母さんは再婚し、俺たちは正式な家族になった。
