転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。


こめかみにびきっと血管が浮き出た気がする。





こいつ…!


姉の手を煩わせやがって…!!




別に普段からこういう風にわざわざ起こしてあげてるわけじゃない。



今日はショッピングに付き合わせようと思って、無理矢理にでも覚醒させようとこんなことをしているのだ。  



荷物持ちとして…連れて行かないわけにはいかないのよ!!



と、意気込む私をよそに…



「………」

 

弟はぐーすか夢の中。



 





……うん。…これはあれだ。

押してダメなら引いてみろ的な感じで叩いてダメなら囁いてみよう。




そうと決まれば、私は荒々しく動かしていた手をとめ、その手で布団を優しく捲って陽の

顔だけ出してあげる。




それから、陽の耳元に近づいて



『よう、おきて』



出来るだけ優しい声で、囁いた。