転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。


ぽかんと口を開けたまま、あまり何も考えずに顔を上げた


……ら、



 

「あんた黒豆と似てる」




太陽の眩しさによって少し細められた碧い瞳と目があった。




にてる、って何で…。



てか、黒豆って…呼んでた、よね?





……センスないとか言ってたくせにちゃっかり呼んでんじゃないわよ。

私がつけた名前なんだから!



とは口が裂けても言えず。




ただ黙って、黒豆を抱いてない方の手で撫でくりまわしながら、言いたいことだけ言いまくって勝手に遠ざかっていく自己中チート野郎の背中を眺めることしか出来なかった。



















嗚呼、神よ。




お願いです。 






もう二度と私と鳳凰のメンバーを関わらせないでください。




どうかどうか。




この可愛い私の可愛いお顔に免じて





どうか。








黒豆を優しく撫でながら、本気で全力でそう願った。