転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。


鼻で笑うでもなく、何の感情も含まず抑揚すらない声は、ただその場に落とされる。




…こっちからしたら何も面白くないんですけど。




何で昼休みにこんなに疲れなきゃいけないの…?


甚だ疑問である。




「じゃあ俺いくから、黒豆、あげる。」

「んにゃ、」

『あ、ぇ、』



のしっ。




不意に…右肩に重みを感じた。



それから、首もとにふわふわとした感触。





……???  



「にゃぁ」

「ちゃんと支えなよ。落ちるでしょ。“黒豆”が」

『へ?あ、おっと、』




その声に、私は慌てて肩に感じた重みの正体…ーー黒豆を抱き抱えた。




無意識に黒豆の喉元を指で擽ると、気持ちよさそうに目をつむる。




えっと、今何が起こったの…?