そんな“前世の私”は、小説を読むのが好きだった。
小説っていってもかしこまった難しいものではなくて、スマホとかパソコンとかでお手軽に読めちゃう所謂web小説。
その中でも恋愛ものが好きで、“前世の私”はある小説にドハマりしてた。
頭に靄がかかったように、タイトルとかは思い出せないんだけど、内容はざっくりとならおぼえてる。
簡単に説明すれば、心を閉ざした少女が不良少年どもに出会って徐々に心を開いていき、恋に落ちたり友情を深めたりする話。
でも何の障害もないわけではなくて、心を開くまでにたくさんの試練を乗り越えていくんだけど。
色々ありつつ、その中でも“前世の私”が一番ムカついたのは少女をいじめる悪女の存在だ。
これがまあ本当腹立たしくて。
悪女は不良のリーダーが好きすぎるあまり、特別扱いされている少女に嫉妬しひどい嫌がらせをするのだ。
本人に聞こえるように陰口をたたいたり、あらぬ噂を流したり、集団でリンチしたり。
それはもう極悪非道な行いをやってのけ。
不良少年より不良じゃんか!なんて“前世の私”は思っていた。
