転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。




突然降ってきた声に驚いて、バッと顔をあげる。


そう。降ってきたのだ。



上から。





『だ、れ………ぇ』





その人物は、私の見上げた視線の先………どういうわけだか、そう——


———木の上に、いた。






…………おい。おいおいおい。

ちょ、そりゃあきいてねぇぜ。






「さっきからずっと…騒いでうるさい」




なんで木の上にいるんだおめーとか、 

 

なんでおめーの腕のなかに黒豆がいるんだよとか、



まてまておめーいつから私の一人言きいてたんだよとか。





言いたいことはたくさんあった。 



だけど急な展開に頭がついていかず、言葉が出てこない。




ていうか、まずそんなことを言えるような相手じゃない。






……昨日に引き続き、神は私をとことんいじめたいらしい。





さわり心地の良さそうなふわふわとした亜麻色の髪、二重の瞳は空を閉じ込めたように澄んだ碧。

白く、ニキビとは無縁な陶器のような肌。

185以上ありそうな背丈。




こんなチートレベルの美男子…




会いたくなかったなぁ!!!






私はそのチート野郎……鳳凰幹部、



和泉夕緋(いずみゆうひ)を見ながらまぬけに口を開けることしかできなかった。