転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。



ガササッ…




『ん?』



いい感じにフィーバーして一人で盛り上がっていると、不意に葉っぱが擦れあうような音がし、反射的にそちらを向いた。



するとそこには……



『誰もいない…?』



…あれ?確かに音がしたんだけどなぁ?



花柄のランチバックをベンチに置き、小首を傾げながら音のした方へ進む。



そこは茂みになっており、…人が隠れようと思えば隠れられる場所でもあった。




え…いや、まさかないわよね?

こんな場所に誰かいるなんて。



でも、もし重要人物がいたら私はもうここではお昼を過ごせない。




お願い!誰もいませんように!




強く願いながら茂みの間を覗いた。







「んニャーォ」





…………ん?






……なんか、見えたぞ。






好奇心に満ち溢れた爛々とした大きなお目目。



黒くて艶々のもふもふ。



極めつけにあの特徴的な永遠に聴いていたくなる癒しの極みな鳴き声。






小さな猫が



「ナーン、ニャ、」



そこにいた。