ふと、考える。
私って案外、何も持ってない人間だったんだなぁと。
冷めた恋心は戻ることはなく、上部だけの友達は簡単に離れてしまった。
『空っぽね、』
誰にでもなく自分自身に向けた言葉は、校庭の喧騒にかきけされてった。
こんな何にもない私だけど、頭の出来はそれなりによくて。
午前中の授業を難なく終え、そしてお昼休み。
私はお弁当を持って中庭に来ていた。
少し前までは教室で食べてたけど、…色々あって(まあ私がまいた種なんだけど)一緒に食べる友達はもういないし、何かこそこそ噂されたりするし。
ちょっと疲れちゃって、お昼になると安寧の地を求めて校舎をさ迷った。
結果、中庭に行き着いたわけなんだけど。
中庭なんてベタ過ぎー!校内で重要人物に出会っちゃう確率の高い場所Best3に入るじゃーんって思われる方もいるかもしれないけど、意外や意外。ここ数日こうしてここで過ごしてるけど、お昼に中庭に来る人物はいなかった。
まぁ小説でも、鳳凰は鳳凰専用の教室(空き教室を改造したとこ)でお昼を取ってることになってるし、中庭で事件が起こることはなかったし。
割りと平和である。
校舎の影に設置されたベンチに腰かけ、お弁当箱を開いた。
