それにしても…
私って結構努力家だと思う。
ここ数日、校内で鳳凰がいそうな場所は避けたり、見かけてもスルーしたり、弟のエロ本を宣言通り燃やしたり。
やれるだけのことはやってる。
『うーん、ほんっとに…』
永井藍斗を見ても胸がキュンともすんともいわなくなったなぁ。
『人生とは不可思議の連続…』
教室の窓辺に頬杖をついて、校門前に止まった黒塗りの高級車から登場する鳳凰のメンバーを見下ろしながらぽつりと呟く。
二階から静かにその光景を眺める私とは逆に、校庭には黄色い歓声や野太い男の声が響いていた。
あー、私も少し前まであのなかにいたんだよなぁ…。
藍斗くーん♡なんて言って。
…………おぉ、おそろしい…。
