何だかんだありすぎた誕生日から数日がたった。
あの日、平和に過ごすんだ!と固く決意してからというもの、私は本当に変わった。
まず鳳凰並びに関係者に近づかなくなった。
前は永井藍斗や鳳凰の幹部を見かけると笑顔で猫なで声出しながら駆け寄ってたけど、そんなことはぱったりとやめた。
あと同じ学校の男子はほぼ鳳凰に所属してるので恋愛対象から全員除外した。
私の運命の相手はきっとここにはいないだろう。
…それから、小説のなかで悪女と共に数々の悪行を繰り広げてきた取り巻きの子達。
私と彼女たちの間には友情なんて…そういう可愛らしいものは全くなくて、お互い利用していただけに過ぎない。
…彼女たちは自分が私に目をつけられるのが嫌で私に合わせて、私は私で彼女たちにも嫌なことをたくさんさせようとしてた。
でもまだ、なにもしてない。
…少女の悪口とかはちょっといってたけど。
今ならこの子たちを巻き込まなくてすむかもしれない、そう思って。
誕生日に、おめでとうって張り付けたような笑みで言ってくれた彼女たちに、『もういいよ、もういいの』と伝えた。
無理して一緒にいなくていいと。
一緒になって誰かの悪口いったりしなくていいと。
そうしたら案外あっさり離れていった。
私は誕生日に記憶を手に入れ、友達ごっこしてた相手を失った。
