転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。



誕生日だというのに考えることがたくさんあって憂鬱だな…。

前世のこととか小説とかエロ本とか…。




「李和?おはよう。遅かったじゃない。ほら食べて?」




リビングに入った私に声をかけたのは、お母さん。

私が母の日にあげた小ぶりの花柄があしらわれた、かわいらしいエプロンを身につけてスープやトーストをテーブルに並べていた。




『おはようお母さん』



お母さんに挨拶を返して、定位置に腰かける。

それから、隣のイスに腰かけてた弟の足を



ダンッッ!!



「んぐっ!?!」



おもいっきりふんでやった。




ふん。ざまぁみろ!





「あらなんの音?」



『陽のお腹の音』



「…てんめっ…!」




少し天然なお母さんはあっさりと私の嘘を信じ、忙しそうにパタパタとリビングを出ていった。




『陽、私に言うこと、ない?』

「ちょっと太ったか?グッ!!!」

『ん?お誕生日おめでとう、は?』

「…(拳が、腹に入った…)お、おめでとう…」

『やだ、ありがとう♡』