17の誕生日で死んで17の誕生日にそれを思い出すって何事…。
前世とか来世だとかそんなの信じてなかったのに…。
哀愁漂わせて途方にくれていたい気分だけど、生憎そうもいかない。
なぜなら学校に行かなければならないから。
『今日くらい休んでいいんじゃないの…だって誕生日だし』
ろくな誕生日じゃないことは確かだけど。
とりあえず、名残惜しく思いながらもベッドから立ち上がり、いつものように学校へ行くための支度を始めた。
洗面所で顔を洗いながら自分の顔を見る。
少しつり上がった大きな猫目。
高過ぎず低すぎずバランスのとれた鼻。
平気で嘘をつきそうな形の整った唇。
…まさしく小説に出てきた悪女の特徴そのものだ。
それに、“前世の私”は小説を読むたびに思うことがあった。【なんかこの悪女の特徴、私に似てない…?】と。
そりゃ似てるわけだわ。
私と“前世の私”、そっくりなんだもの。
