転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。


——あるところに、ひとりぼっちの少女がおりました。



少女の両親は、少女が幼い頃に天国へと旅立ってしまったのです。

そうして、少女は親戚の家をたらい回しにされ、やっと引き取ってくれる遠い遠い親戚が見つかりましたが少女はやはり孤独でした。



少女を引き取った親戚の男は、毎日少女に優しい声で語りかけました。少女の手をとりお散歩をしたり、可愛いお洋服を買ってやったり、少女に笑ってほしくて何でもしました。



その努力は実り、少女は男に心を開くようになったのです。




けれどもまだ、男以外には心を開いてはくれません。男はすっかり困り果ててしまいました。




それから数年たち、少女は高校生になりました。



高校に入ってから少女は少しずつ変わっていきました。



驚くほど明るく、昔のような元気を取り戻していったのです。




少女を変えたのは五人の不良少年でした。



少女は彼らとその仲間にとても気に入られ、ついには“姫”と呼ばれる存在となりました。




しかしそれをよく思わない人もいます。




その人たちは、やがて少女をいじめるようになりました。



少年たちにばれてしまわないように、こそこそと影に隠れていじめるのです。



しかし少女を大切に想う少年たちは、少女の微かな変化にすぐに気がつきました。




彼らは、少女をいじめたやつらを懲らしめ、二度と同じことが起きないよう、より一層少女を護ろうという気持ちが大きくなりました。




少女はそんな少年たちに護られ、愛され、少年たちの中のリーダーと恋に落ち、幸せな道を歩んでいくのでした。






めでたしめでたし。