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シントへ☆
ちゃんとお仕事して
いい子で待っているように!
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「……は? どういうこと?」
シントは一輪挿しに目を向ける。
「……ああ、なるほどね。最初から俺をここから出すつもりはなかったってこと」
だからあの時――『うんっ! それ、最優先だから! それが終わらないと他のことやっちゃダメー』……なんて、彼女は言ったんだ。
「いっつも仕事しろって言うくせに、最優先とか言うから何かと思えば」
いろいろと作り方はあるが、ゆっくり時間をかけて丁寧にやった方が綺麗にはできる。染色に大体四、五日。そのあと乾かすのに二週間程見ていた方がいいだろう。
一体何を考えているんだと思っていると、その手紙にはまだ続きが。『追伸』と書かれたそれ以降にも、シントは目を通していく。
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追伸
お仕事をサボるようなことがあれば
わたしにも考えがあります
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「……は? 考えって一体……――ッ?!?!」
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シントのメイドの写真
ばらまいちゃうぞ~♡
それが嫌だったらちゃんとお仕事して
いい子で待っててね~☆
あおい
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「……は、ははっ。な、何言ってるの葵。あの時俺は、お前からスマホを奪って、その上両手も縛ってたんだよ……? 一体それでどうやって写真を撮るって――」
その時、絶妙なタイミングでシントのスマホが鳴る。確認しなくてもわかる。相手は葵だ。
そしてそのメールには――……。
┌ ┐
件名
:どうせハッタリとか思ったんでしょ
本文
:添付ファイル(1)
└ ┘
……開けたくない。開けたら絶対後悔する。
そう思いつつも、怖いもの見たさでシントの指は勝手に添付ファイルに伸びて――――。



