「……なあ。さっき俺はどんな顔をしていた」
その頃。アキラは俯きながら二人に尋ねていた。
「……どんなって。アンタ……」
「あきクン、困惑してたような感じだったよ」
「……そう、か……」
アキラは顔を上げ、窓の外を見つめる。
「……その俺の顔が、葵には『気持ち悪いものを見てる顔』に見えたらしいんだ」
「えっ?」
「それって……」
「葵は、『わたしのことをそんな目で見てるでしょ』って、言ったんだっ」
アキラは、握り込んだ拳を悔しさに顔を歪めながら額に寄せる。軽く自分を殴るように。
「神に誓ってそんな顔はしていない。なのに俺の顔が、葵にそう見えたってことは……だッ」
それからは何も言えなかった。
これ以上は、彼女に近づくことだから。
「(……葵にとっては、さっきみたいなことが【気持ち悪い】ってことだ)」
途中で話すのを止めたアキラに察した二人は、そっと宥めるように肩に触れる。
「大丈夫よアキ」
「あおいチャンが落ち着いたら、大きな声出させちゃってごめんねって。話しに行こう?」
気遣ってくれる二人に、絞り出すような声で「……ありがとう」と、心の底から感謝した。



