みんなはすっと目を細めた。
「圭撫。葵の手は」
「ちゃんとあったかかったよ」
「え? ど、どういうこと?」
一人状況がわかってないキサの肩に、「あとで話すよ」とヒナタがぽんと触れる。
「……そういえばアンタたち、入ってきてからなんか揉めてたわよね」
「揉めるってほどじゃないんだけど。無理矢理にでも寝させようと思って手を掴んだら、異常なほど震えてたんだ。あれは、……怯えてたんだと思う」
「……あおいチャン、何に怯えてたの」
「もちろん聞いたよ。言ったら部屋を出てもいいよって。……でも、頑なに言わなかった。一生懸命、震えを止めようとしてた」
カナデの言葉に、アキラとアカネ、そしてツバサが視線を交わした。
「葵が言いたくなかったのなら、この話はするべきじゃないな」
「そうね。アタシもそう思うわ」
「ひとまず、あおいチャンが寝られてよかったね」
この話はこれでおしまいだと、いきなり三人は立ち上がって朝食の準備を始める。残された五人はそんな三人を見て、怪訝な顔や難しい顔をしていた。
「(アオイちゃん……)」
カナデはじっと、彼女が今も眠っている部屋の扉を、心配そうに見つめていた。



