語り部である少女に問いました。

 君の名前を、教えてくれるかと。



 少女はそれに、苦笑いしながら答えました。

 わたしにはもう『太陽』はなくなってしまいました。
 わたしにはもう『  』しか、残っていません。



 再び、語り部である少女に問います。

 どうしてなくなったのかと。



『太陽』と引き替えに、わたし(、、、)を生かしてくれた『わたし』がいるからです。

 少女はただ、笑ってそう答えました。