「……っ。俺じゃあ、兄貴と同じようにやさしくお前を支えることはできないかもしれない」
「何言ってるの。あなたとってもやさしいじゃない」
「それでも。……俺は、兄貴と同じように、お前を大事にできないかもしれない」
「だから、十分大事にしてもらってるってばっ」
「それでも俺はっ。……カリン。お前のそばにいたいんだ」
「…………」
「俺が。お前をこれからは支えてやりたい。……ずっと、お前が好きだった」
「……うん。知ってたわよ?」
カリンの言葉に、ヒエンは顎が外れるくらい口を開けて固まった。
「え。逆に気づいてないと思ってたのかしらこの人」
「そうだよねー。子どものおれでさえ気がついてたのにー」
「まあまあ。そんなところも可愛げがあっていいじゃないですか」
葵がそう言うと、二人は「そうだねー」と笑った。
「炎樹くん。ずっとわたしのこと、支えてくれてありがとう。一緒にわたしの心を、直してくれてありがとう」
「……っ、か。りん……っ」
「そんなやさしいあなたを、わたしたちのこと大事にしてくれるあなたを、ちょっと不器用なあなたを、今度はわたしが支えてあげたいなと思っているの。だからよかったら、おーちゃんとわたしのそばにいてくれませんか? きっと、あの人もそうするべきだって言ってると思うから。……炎樹くんと、ずっと支え合っていきたいの」
「……なんで。お前に言われないといけないんだろうな」
ヒエンは自嘲気味に微笑んだ。
「これからは、俺が二人とも幸せにする。……俺と、ずっと一緒にいてくれ」
「はいっ。こちらこそ、よろしくお願いします」
差し出されたヒエンの手を取ったカリンは、幸せそうに笑っていた。



