すべてはあの花のために④


 そのあと、みんなで久し振りに帰ろうということになりそうだったのだが。


「(くいっくいっ)」

「ん? どうしたのオウリくん」


 彼の服の裾を引っ張られて呼び止められる。……もしかして。


「病院、だね」

「(こくり)」


 彼も進む時が来た。しかもどうやらヒエンに連絡していたみたいで、迎えも来るらしい。
 それに乗って、百合ヶ丘まで一緒に行こうということだった。


「でも、車乗れる? 軽トラだったら乗れないんじゃ……」

〈今日は違う車で行ったから大丈夫!〉


 流石。見た目はそんな風に見えなくても、お金持ちには変わりないらしい。

 みんなには病院に行ってくることを伝えたが、なんだか不安そうな顔だった。


「大丈夫だよみんな。心配しないで?」

「葵。桜李。……無理はするな」


 アキラの言葉に、葵は驚いて目を見開いてしまった。
 そして、その言葉をしかと受け止めて、ゆっくりと頷く。


「……うん。ありがとう、アキラくん」


 みんなも、できることなら行きたいという顔をしていたが、葵がそれは断った。大人数で赴くと、きっと驚いてしまうだろうからと。