すべてはあの花のために④


 そのあと何とかみんなを落ち着かせ、年末のクリスマスパーティーに向けて会議を進めた。
 クリスマス当日は、恋人たちはきっとそっちを優先させるだろうし、自分たちの会社が主催している人もたくさんいるため、毎年日にちをずらして行われている、生徒会主催のパーティーだ。

 基本自由参加のため強制ではないが、生徒会メンバーが主催しているだけあって、参加者は毎年多いそう。


「キサちゃん、去年はどんなことしたの?」

「あっちゃん去年来てなかったの?」

「うん。ごめんね? みんなが主催してくれてたのに」

「全然いいよー。お家が忙しかった?」

「……うん。そんな感じ」

「そっかそっか。まあ、そんなに特別なことはしないよ」


 キサが教えてくれたのは、殆ど後夜祭に似たパーティーだった。
 違うことと言えば、仮面がないことと、体育館をクリスマス仕様に装飾し、真ん中に大きなツリーを準備すること。


「クリスマスケーキってどうしてるの?」

「お店に特大のを作ってもらって、みんなで切り分けていく感じだよ」


「ケーキ入刀~ってやつ!」と、手をぶんぶん振りながら楽しそうに笑うキサに、そういえばと、偽結婚式のことを思い出す。


「トーマさんとしたんだっけ、ケーキ入刀」

「うん。……なんかあいつの手、やけに震えてたからさ? なんでそんなに緊張してんのかと思ったんだけど……よく考えたらあれ、笑い堪えてたんだね」


 うん。それはきっと間違いではないと思う。


「(指差して笑う気満々だったからな、あの人……)」


 あの頃がすでに懐かしいなと思っていると、「でも、やっぱりなんか違うことしたいよね~」と言うキサに、葵も大きく頷いて同意した。


「わたしもそう思う! たとえばなんだけど――――」


 葵の提案に、みんなは真剣に耳を傾けてくれていた。


「……とか、どうよ」

「さっすがアオイちゃん!」

「そうだな。ちょっと検討してみるか」

「ちょっと待ちなさいよ。ごっちゃごちゃになりそうなんだけど」

「ま、それも楽しそうで有りじゃね?」

「よ、予算大丈夫かなあ?」

「……?」

「まあ、ダメだったら理事長からくすねれば良し」

「いや日向、そこはせめてお願いにしておこうよ」


 なんだかんだでそのあとクリスマスパーティーの内容も決定。日取りは年内最後の登校日だ。

 しかし、そのクリスマスパーティーの前に、二年生には修学旅行が迫ってきていた。


「(修学旅行か……)」


 きっとすごく楽しくなる。たくさん写真を撮っておかないと。