すべてはあの花のために④


「道明寺 葵さん。オレは、あなたが好きです」


 告白と同時に腕を引かれ、彼の腕の中に閉じ込められる。


「左手首に巻いたのは、もう一つの意味もあったから。二つ目はお前に……アオイに、オレの気持ちが届くまで諦めないってことを。勝手だけど誓ってた」

「ち、ちかく」


 喋ろうとすると、ぐっと力を入れられて「まだ途中だから待て」と阻止された。


「それなのによう、誓いが成功するって確信してるし。オレが相手に届かせるまで諦めないって信じてくれちゃってるし。それができるまで、ちゃんと見ててくれるって言うからよう」


 そっと体を離して、チカゼは葵の頬に手を添えてくる。
 葵は、本気で焦っておりました。冷や汗どころか脇汗びっしょり。


「終いには、屋上から飛び降りるくらいだっけか。大喜び、してくれんだろ?」

「あ。あのですね。ちかくん。わたし。そんなことになってるだなんて全然知らなくて……」


 胸を押し返そうとした葵が彼から離れようとした時にはもう、おでこにキスを落とされていて。


「そんなんもう、頑張るしかねえじゃん」


 真摯な瞳に、向けられる愛に、かああっと顔が熱くなるのを止められない。



「……お。真っ赤じゃん」


 体の力が抜けて、危うく倒れそうなところをまた彼に抱き留められる。


「ま、返事はわかってるから、今はいらねえよ。それでもオレは、お前が誰かのもんになるまでは絶対諦めねえ」

「ち、ちかくん……っ」

「つか、誰かのもんになんてさせねえ。……それぐらい、オレもお前にべた惚れなんだ。いい加減わかって」


 少しだけ、申し訳なさそうに眉を顰めて。でも、嬉しそうな顔で。


「……なあ。オレのこと、好きになって?」


 より一層、力を入れて抱き締められる。


「ははっ。……マジ、かわいすぎ」


 耳元でそう囁かれたあと、デレデレな顔で彼からそんなことを言われるとは思っていなくて。あまりにも恥ずかしくて、慌てて彼の胸に顔を押しつけるようにして逃げる。


「……何お前。オレに襲って欲しいわけ」

「なっ?! ち、ちがっ」

「違うか。オレがお前食いたいだけだわ」


 そう言って彼は真っ赤になった葵の耳をぱくりと口に含み、甘噛みしてくる。


「……あ。ぅ……」


 そして、ちょっとだけ舐められた時、ついに葵の限界が。