それからばばあが学校に来た。めっちゃキレられた。
オレも自分がしたことをちゃんと後悔してたから、悪かったって思ってたんだけど、違ったんだよ。
ばばあがキレてたのは、先生と、オレの友達だった奴らと、クラスメイトの奴ら。酷えこと言ってた奴を、ばばあは怒ってくれたんだ。
オレさ、こう見えてよく泣くからさ。ばばあにそう言ってもらえて、学校でめっちゃ泣いちまったんだよな。……え。知ってるって? う、うるせーよ! これでも頑張って泣かないようにしてんだっつの!
……まあ、そのせいか。お前みたいな変態がいっぱいいたのか知らねえんだけど。ウザいほど女は寄ってきた。これでもかと言うほど。
口を揃えて「かわいい」って言ってくるんだ。もう一回キレそうになったけど、それは流石にばばあに止められた。
は? わかる?
……いや、まあお前に言われんのは悪い気しねえけど。どうせなら「格好いい」って言われてえわけだよ。わかれや。
まあそれでも、やっぱり寂しかったんだ。
ずっとずっと。オレは待ってたのに。そんなことするような親じゃないのはわかってるのに。
それでも、やっぱりふとした瞬間に、見捨てられたんじゃないかって思うんだ。オレが暴走してから、ばばあがオレに茶道を教えてくれた。ばばあは茶道の宗家だったからな。
オレに、そう言う気持ちを認めることも強さだって、教えてくれてたんだと思う。
お前、前に言っただろ? 茶道は、わびしい。寂しいって気持ちを認めて……なんとかかんとかって。そういうことだったんだと思うわ。ばばあがオレに伝えたかったこと。
でも今は、茶道しちまうと、どうしても思い出すんだ。
母ちゃんのことが大好きだった親父を。オレにべったりで離れなかった母ちゃんを。やっぱり、寂しいって思っちまうんだ。
でも、オレはもう弱くないから。強くなって、ばばあのこと。今度はオレが支えてやんないといけねえから。茶道とも、寂しいって気持ちとも、向き合っていくよ。
だから。ここまでオレのこと、捜しに来てくれて。
オレのこと、見つけてくれて、見ててくれて。
……ありがとな。アオイ。



