感謝を伝えると、『みんなには会えた?』とシントが言うから、大本の犯人はすぐにわかった。
「みんなに言ったんでしょう」
『だって俺葵の部屋から出られないもん』
「え? 出るなって言ってないけど……」
『仕事終わってないもーん』
「いや、わたしの部屋じゃなくてもできるし。ていうか、もしかしてずっとそこにいるの?!」
『俺の体の中は今、葵の匂いで充満しているよ』
「あんたの方が変態だな」
『まあそれはいいから、早く帰ってきてよ』
甘い台詞に、思わず無言を返す。けれど、彼も負けじと続けた。
『つ・づ・き。するんだからさ?』
「もう期限切れです。残念でしたー」
『させねえよ?』
「それじゃあ、シントはこの電話で出番終了だ。クランクアップお疲れ様~」
『ベッドを温かくしてお帰りをお待ちしております、お嬢様』
「うむ」
結局すぐに、電話口からは謝罪の嵐がきたけれど。



