その後、みんなにたくさん感謝を告げた葵は、連絡を入れるために席を外した。
『あおいー! お前一体どこいるのー!』
「え? 新幹線?」
『うう……。どれだけ俺が心配したと……』
「ちゃんとお仕事した?」
『え? 最初に聞くことそれ?』
「え? 寧ろそれ以外にある?」
『はあ。ちゃんと作ってるよ』
「おー! さっすがシント!」
『後は乾かすだけ』
「ありがとー! それじゃあねー!」
『おい! もっとあるだろうがよ!』
「ご心配をお掛けしまして」
『うむ』
「ごめんっぴ~」
『ふざけるのも大概に』
「本当にごめん。無我の境地には辿り着けなかった」
『いや、そんなこと聞いてないし』
「かめは〇波も習得できずに終わってしまった……っ」
『うん。できたらすごいから』
小さく咳払いをして「ま、冗談はさておいてだよ」と言うと『うん。さっきからそう言ってるよ、俺は』と冷たく電話口からは返されたけれど。
「ちょっと、一人になって考えたかったんだ」
『うん。わかってるよ』
「……そっか。流石だ」
『それで? これからどうするの?』
「……笑う」
『え?』
「ずっと、笑ってるよ。泣かないように」
『……そっか』
「でも、溜めてばっかりはダメだよって言われたから、家では吐き出すことにするので」
『うん。俺がそばにいてあげるよ』
「うん。……迷惑かけると思うけど、よろしくね」



