「ご飯食べたので、写真見てもいいですか!?」 「はいはいどうぞ」 期待してた話と違って肩透かし。 けれど、すごく楽しそうに、嬉しそうにスマホをスライドさせている葵を見て、トーマも小さく笑った。 ……でも、一体いつまでスライドするのだろう。彼女の指は止まるところを知らないどころか、スピードが速くなる一方で。 「(……そんなに動物の写真入れてたっけ。そもそも、ずっと同じ方向じゃ……)」 葵が写真を見終わる頃には、頭の中を疑問符で埋め尽くされたトーマであった。