すべてはあの花のために③


『さあ、次はいよいよ最後のドレスコードです! 男性はタキシード、女性はドレスでの登場! 特に場面の指定はしておりません! それでは、エントリーNo.1のお二人はステージへお上がりください!』


 そのアナウンスが聞こえたので、ドレスに着替えヘアアレンジもするために、葵も猛ダッシュで控え室に戻った。


「(……さっきの彼。多分想像以上の腕前だ)」


 葵以外、きっとどうでもいいであろうことを考えながら、割った瓦を担いだ葵は、真剣な表情で控え室へと戻っていった。


『――……ありがとうございましたあ! みなさんとてもお美しいですし、格好いいですね~! さあ続きまして、エントリーNo.12のお二人はステージへお上がりくださーい!』


 今回も女子と男子は割れているので、葵の方には綺麗な女の子ばかりだ。


「(いやあ目の保養目の保養~)」


 完全に変態と化してきている葵である。
 ここからはまた、司会進行の方の実況でお送りします。


『それでは女性の方から行きましょう! 彼女はサーモンピンクの膝丈サテンワンピースに身を包んでの登場です! 彼女の腰には黒い、大きめのリボンが巻かれているデザインで元々いいスタイルをもっとよく見せています! 白いボレロに包まれている華奢な首元には、パールのネックレスが存在を主張しています!』


 彼女はアキラに投票したぐらいだからな。相当嬉しいのだろう。頬がピンク色になっていて可愛らしい。


『続きまして男性の方ですが……おお! 全身を黒だけで統一してきました! 黒髪も重たい印象を受けることなく、スラッとしたスタイルがどこか自信に溢れています!』


 そりゃ自信にも溢れているでしょうよ。彼は本気で優勝狙ってますからね。