そんな話をしている間に、アキラのお菓子作りがスタート。司会者に出来上がったケーキを食べてもらい「お、おいしいですう!」と高評価をもらった彼は、満足げに袖へ戻っていった。
そして次はツバサの番なのだが。
「あ……れ? 次って、ツバサくん……だよね?」
ツバサが呼ばれたはずなのに、そこに現れたのは、剣道の防具に身を包んだ二人。
「実はツバサ、ああ見えて剣道めちゃくちゃ強いのよ~」
「そ、そうなんだ。わたしはてっきり、力持ちだからそっち系の特技なのかと思ってたんだけど」
初耳情報に頭が追いつかないまま、あっという間にステージで二人の試合が行われた。名前を下げていなかったので、最初はどちらがどっちかわからなかったが、実力差は圧倒的。相手の隙を見つければ、すぐにそこに切り込んでいく。よく見えている彼にだからこそ、相応しいのかもしれないが。
「(ツバサくんが、わたしが話すまでは聞かないと言ってくれて、ほんとよかった)」
でないと、きっと葵はとっくの昔に、彼に自分のことを話してしまっていただろう。
決着は、あっという間についた。もちろんツバサの一本勝ち。
防具から現れたツバサの顔は、暑かったのか眉間に皺が寄っている。そんな彼を見て、「せ、セクシーですうぅぅー……」と司会者は嘆いていた。きっと彼を知らない人たちは、『ほう。泣くほど色っぽいのか』と思ったに違いない。
違いますよー。男なのにそんな感想を抱いてしまった自分が悔しかっただけですよー。



