『さ、最後の人たち、実は本物のカップルだったんじゃないでしょうか! 本当に、見ていてこっちが照れてしまうほど初々しかったです! ……さあ。まずはセンスが問われるファッションコーデでした! 続きまして、各参加者の“特技”を披露していただこうと思います! エントリーNo.1の女性の方~。ステージにお越しくださーい』
そして、次のアピールにみんなが集中していった…………のだが。
「ど、どうしたのみんなして」
葵が袖に帰ってくると、何故か反対側にいるはずのカナデまでこっち側に。そして何故か、男たちの機嫌が途轍もなく悪い。
「あ、わかった! 強敵が出てきたと思って焦ってるんでしょ~」
カナデの肩をツンツンとしてみるが、表情は般若のように怖いまま。
「まさか、彼と一緒に歩きたかったのかツバサくん」
「違うわよ!」
一体全体、どうしてこんなに機嫌が悪いんだか。
「アオイちゃん」
「うん。どうしたカナデくん」
「なんでさっきあんなに真っ赤だったの」
「え?」
「葵」
「な、なんだいアキラくん」
「なんで指絡ませてたんだ」
「な、なんでって……」
「アンタさあ」
「つ、ツバサくんも何か……?」
「なんでわざわざ交換しあったの」
「こ、交換し合ったと言いますか、代わりにくれたと言いますか」
「あのさあ」
「ひ、ヒナタくんまで?」
「…………」
「わ、わたし、何か気を悪くさせるようなことを……?」
「した」
「な、何を?」
「何嬉しそうにしてんのさ」
「え」
彼らは葵の返答も聞かないまま、不機嫌のまま控え室に戻っていった。
「……あの、全部不可抗力……」
体が勝手にそうなったんですけど? 生理現象ですよ? どうしろって言うんですか?
言いたい放題の彼らに、今度は逆に葵が苛々。ずんずんと大股で控え室に戻り、葵も次の準備を進めたのだった。



