すべてはあの花のために③


 開祭式が無事に終わり、生徒たちは最後の出し物等の調整にかかっている。初日の今日は開祭式があったため、一般の入場は11時から。ちなみに明日は10時から入場可能だ。

 生徒たちが講堂からぞろぞろと退出して言っている中、生徒会メンバーは、壇上裏で初日の流れの再確認をしていた。


「スタンプラリーの開始は11時同時。台紙を持って、参加する人たちに渡してくれたらいい」

「各ポイントは全部で10カ所。……そのうち6カ所には、それぞれスタンプを準備してるわ」

「そのうちの4カ所は、あたしたちがいろんな童話のキャラクターに仮装して立っておく、と。そうだったよね?」

「ああ。最終的に生徒会室に辿り着くように誘導してるから、ある程度時間が経ったら生徒会室に一人待機しておいて、辿り着いた人たちに賞品を渡していく」

「おれら、今日はこのスタンプラリーと各クラスの出し物、両方をしていけばいいんだよね?」

「そうだな。スタンプラリーのポイントは途中で交代するから、その間はクラスの出し物に出たらいいんだっけか?」

「一人被りが出るけど、それは臨機応変でまわしていけばいいんでしょ」

「そうだね! わたしたちは取り敢えず無線を使って、それぞれの動きを確認しながら今日一日頑張ろう!」

「……にしてもさー? 今日はずっとこの恰好なのー?」

「??」

「明日は制服で動けるから、今日だけだ。我慢しろ圭撫」

「いや~、結構みんなかわいいなーと思って! 終わったら記念撮影しよー!」


 そんなカナデの提案にみんなは大きく頷いて、それぞれの持ち場へと進んでいった。