すべてはあの花のために③


「どう? あおいチャン」

「俺たちの作品は何点ですかー?」


 小声で、そう聞いてくる彼らは、本当に楽しそうだ。
 しょうがない。ここは正直に言ってやろうじゃないか。


「点なんかあげないよ」


 目を点にする彼らへ、葵は飛び切りの笑顔を返す。


「こんな素晴らしい二人の思いがこもり過ぎてる作品なんかに、点なんかつけられないさ!」


 そう言ってやったら、二人とも嬉しそうに喜んでくれた。
 ほんの少し、頬を染めて――……。