すべてはあの花のために③


◇ミスターコン
  エントリーNo.1 皇 秋蘭
 (※断固として譲りませんでした)
  エントリーNo.2 東條 圭撫
 (※アオイちゃんとちゅーするのは俺!)
  エントリーNo.3 九条 日向
 (※キサの推薦! 「なんでオレまで」)

◇ミスコン
  エントリーNo.1 道明寺 葵
 (※優勝は決して狙いません!)
  エントリーNo.2 桜庭 紀紗
 (※あっちゃんの付き添いです!)
  エントリーNo.3 九条 翼
 (※アタシに勝てると思ってるの?)


「よし。こんなもんだろう」

「いやいやアキラくん?! こっち来すぎだから! そして一人おかしいから‼︎」

「それなら心配いらねえから、頑張って来いよ」

「あらチカ。アンタやけに大人しいじゃないの」

「あー翼。それはね、あたしが写真撮ってきてあげるって言っ――」

「ばか! それ以上言うな!」

「ちかクン、それはない」

「バカ、それだけはない」

〈ちーちゃん
 それはやめようよ〉

「なんでオレだけオウリ入ってくんだよ……!」


 どうやら、オウリに言われるのが一番堪えるらしい。


「いやいや。でも本当にこっち来すぎじゃない?」

「大丈夫だよ~あおいチャンっ」

「♪~♪」

「さっきから言ってんだろうが」

「え?」


 残ってくれる三人が、そう言ってくれる。


「逆に、こっちそんなにいらないから~」

「(こくり)」

「演奏会で要るのは司会だけ。その次も、参加者が勝手に盛り上がるから実況っぽいことしとけばいいだけだし」

「…………」

「だからね、楽しんできて?」

〈思い出!
 作ってきて!〉

「優勝だけはして来んな、と言いたいけど。お前が楽しめたらオレらはそれでいいんだよ」


 三人がそう言ってくれる。
 ああ。なんて、なんて……。