「じゃ、じゃあ、優勝は狙いに行かないことにします……」
「どうしても出たいのか」
「うん。アキラくん。高2の文化祭って一度きりでしょう? だから、いろんなことしておきたいなって思って」
葵がそう言うと、アキラは腕を組んで悩んでしまった。
「……わかった」
「ほんと?」
「おい、アキ。マジかよ」
「わー! あおいチャン! 頑張ってね!」
「(こくこく)♪」
「生徒会代表なんだから、恥かかないでよね」
「自信持って行ってきなさい」
「アオイちゃん! 絶対優勝はしないで!」
「あっちゃん! ファイトー!」
「うん! ありが――」
「だから俺もミスターコンに出る」
アキラがそんなことを言い出したので、生徒会室は大騒ぎ。
「おいアキ! どういうことなんだよ!」
「どうもこうもない。俺が優勝して堂々と葵とキスしてくるから、お前ら後は頼んだ」
「ええ……?!」
「あらあら~」
「ふっざけんじゃないわよ! アンタ生徒会長でしょうが! 仕事放棄してどうすんのよ!」
「あきクン、それはない」
「アキくん、それだけはない」
「(こくり)」
「じゃあ俺が出よ~っと」
「出させねえよ?」
「(こくこく)!」
そうして、何故だか生徒会メンバーの男子も何人か出ることになった。……どうしてこうなった?
しかし、誰が出るかは早々に決まった。



