「ミスコンに出てみたいんだけどっ!」
みんなは目が点になった。
「思い出作りに! ミスコンに出ちゃったりしてみたいんですけど!」
「いや、生徒会主催の時間と被ってるし」
「そこをなんとか!」
「自分だけサボろうなんて許さねえよ」
「チカはあっちゃんのドレスアップが見たいんでしょ?」
「ばっ! ちっげーし!」
「チカむっつりー」
チカゼがキサとヒナタにいじられてる中……。
「あおいチャン、どうしていきなりそんなこと?」
「(こくこく)」
「いやー、出てみたいとは思ってたんだよ? でもなかなか言い出せなくって。みんなだったら、後押ししてくれるかと思ったんだけど……」
そう言いながら葵は、しゅんとなる。
「確かに、3-S主催のミスコンはギリギリまでエントリー可能なはずだが」
「でも飛び入り参加大歓迎! って言うぐらい、ハードルは低いはずよ?」
「……アオイちゃん、もしかして優勝狙いに行くの?」
「え? そりゃ出るからには、優勝狙いに行きたいよねー」
葵がそう言うと、男性陣の動きが固まってしまった。
「あれ? ねえキサちゃん、みんなどうしたんだ?」
「あ。あっちゃんもしかして知らない?」
「ん? 何が?」
「ミスコンとミスターコンの優勝者同士はね、その場でキスしなくちゃいけないのよ~」
(※ほっぺでも可)
「ええ⁉︎」
そんなこと聞いてないんですけど!
「な、なんでそんなことを……?」
「あーそれはね、これもジンクスだからだよ」
またですかー。一体何だっていうんですかー。
「ミスコンとミスターコンの優勝者同士がキスをしたら、二人は永遠の愛で結ばれるんだってー! だから、それに肖りたいらしいよ(笑)」
「(笑)って。そんなことのために、好きでもない人とキスしないといけないの……?」
葵は項垂れてしまった。それは、みなさん。止めてくれてありがとう。



