すべてはあの花のために③


「これは、あの子に近づくことよ」


 二人は目を見開いた後、真面目な顔になる。それなら聞けないと理解してくれたのだろう。


「アタシは講堂の奈落に閉じ込められていた。でも、あの子がさっき来てくれたわ。それぐらいしか、このことは話せない」


 ツバサが悔しそうにそう言うと、アキラはそっと彼の背に手を持って行って、ぽんぽんと叩いた。


「お前が無事でよかったよ」

「うん。それが一番だよ、つばさクン」


 そう言ってくれる、理解してくれる二人でよかったと、心から感謝した。