「これは、あの子に近づくことよ」 二人は目を見開いた後、真面目な顔になる。それなら聞けないと理解してくれたのだろう。 「アタシは講堂の奈落に閉じ込められていた。でも、あの子がさっき来てくれたわ。それぐらいしか、このことは話せない」 ツバサが悔しそうにそう言うと、アキラはそっと彼の背に手を持って行って、ぽんぽんと叩いた。 「お前が無事でよかったよ」 「うん。それが一番だよ、つばさクン」 そう言ってくれる、理解してくれる二人でよかったと、心から感謝した。