そうして葵たちは、生徒会室に戻りながらどうしてこうなったのか、話をしていた。
「ツバサくんは、どうしてあそこにいたの?」
「え? えーっと、アキからキサの代わりしてくれって頼まれて、ポイントに立って待ってたのよ。でも、まだそんなにお客さん来ないでしょ? 始まったばっかりだったし」
「キサちゃんのポイントは生徒会室に辿り着く最後のポイントだったしね。だからキサちゃんは、道具だけその場に置いて行ったんでしょ?」
「ええ。それで、ボーッと突っ立ってたのよ。……立ってたはず、なんだけど」
「気づいたら、さっきあそこで目が覚めたの?」
「何も役に立てそうにないわね。ごめんなさい」
「いやいや! そんなことどうでもいいから! 無事なことが一番重要だから!」
「ありがとう。……別段殴られたとか、気絶させられたとか、そんなことはなかったと思うわ」
「それがいつ頃だったかわかる? 周りには、誰かいたかな?」
「時間は……そうね。アンタと話して、生徒会室から出てすぐに連絡が入ったから、昼過ぎ頃にはポイントに立ったと思うわ。それから……ハッキリとは覚えてはないけど、一時間くらいはそこに立ってたと思うわよ。周りには、誰もいなかったわね。まあポイントがポイントだったし、仕方ないけど」
そう。ツバサが立っていたのは大きな校舎の方の、屋上に通じる階段付近。そこの階は、何の出し物もしていなかったので、人が通るのはスタンプラリー関係者だけなのだ。
「ツバサくんのところには、参加者って誰か来た?」
「その辺の記憶が曖昧なのよ。でも……そうね。確か、二組来たかしら?」
「二組?!」
「え? ええ。確かそうだった気がするけど」
「ど、どんな人だった?!」
「そこまでは。確か最初は、女性が二人組で」
「(それならわたしが賞品をあげた人たちだ)」
「もう一組は、多分男性ね」
「多分? どういうこと?」
「写真館で衣装が借りられるでしょう? そこの参加者に“仮面“が渡されるのよ。それを着けてたから顔まではわからないけど、二人とも男だったと思うわ」
「(……ふ、たり……?)」
あの男は一人で動いてるんだと思ってた。でも、もうひとりいるってこと?



