すべてはあの花のために③


 そう言い終わると同時に、葵は男の胸倉を掴んでいた。


「どういうことですか」

「おー怖い怖い。なるほど。これが本性と」

「もう一度聞きます。どういうことですか」

「そのままの意味ですよ? それよりも、こんなことしてていいんですかあ?」


 そう言い終わるのが早いか、葵は男を突き飛ばし、生徒会室を出て行った。


「あらあら。そんなに慌てなくても大丈夫なのに~」


 そう言って彼は割れた食器を片付けはじめた。


「さあて。お手並み拝見と行きましょうか」


 男は一度、自分の腕時計を見た後、生徒会室を出て行った。