「『あたたたたたたたたたああ~ッ!!』」
「(?!?!?!)」
叫びそうになったアカネは、バレては元も子もないと必死に声を押し殺す。
「(あおいチャン何やってるのおー……!)」
いやわかるよ!? 中途半端に見てると、最後まで見たくなる気持ちはっ!
「(大事な用事って、アニメの続き見ることだったのおー……)」
なんだかアニメに負けたオウリが可哀想になってきた。
「よーし! こんなものかなー。やっぱりアニメみたいには早く突けないんだよねー」
「(まさか技の練習してたわけ!? もおー。何してんのお~……)」
どうやら葵は、アニメの続きを見ると言うよりも、何度も同じところを再生して技を極めているようだ。
葵の用事がそんなことと知ったアカネは、とぼとぼ……と落ち込みながら生徒会室から立ち去った。
「(時々さ、あおいチャンの神経疑うよね、うん)」
おかしいな。さっきまで彼女の好感度が急上昇してたはずなのに。
一気にどん底まで落ち込んでしまったアカネである。
「(まあ? 何か考えがね? あるのかもしれないじゃん? これから敵と戦いに行くのかもしれないしね? 『あべし』とか『へぶし』とか言わせてやるぜえーってね? ……思ってるかもっ。しれないっ。じゃんかあ~……)」
その後アカネは、泣きながらオウリの家まで走って行ったとさ。



