それから一年が経って、おうりも小学校に上がった時、みんなと仲良くなったんだ。
その時もまだ無表情だった。一生懸命稽古をしたおかげで、体は強くなったけど。
……最初のおうりは、ほんとうに痩せ細ってたから。
おれは、弟ができたみたいだった。それで、体はシャンとしてきたんだけど、まだ笑った顔は見たことなくて。
みんなと仲良くなってから、たくさん話しかけられるようになって、おうりは困ってた。そんな時にね、献身的におうりのそばについててあげてたのが、きさチャンだったんだ。
きさチャンは、おうりに相手に伝える方法を教えてあげてた。それが〈文字〉にすること。
だからおうりは、伝えたいことがあった時一生懸命文字にした。今までおうりの表情は動かなかったし、実際のところどんなこと思ってるのかなんてわからなかったんだ。
でも、おうりが最初に書いた文字を見て、おれらは笑ったんだ。そうしたら、そのおれらの顔を見ておうりも少しだけ笑った。



