不意に届いたあのメッセージを思い出し、脳内に問い掛ける。
「(……あれは、絶対忠告だったよね)」
((キットそう。どこかでまた見テル))
「(そうだよね。……わたしが幸せになんて、やっぱりなれないのかな……)」
((……そういえバ))
「(ん?)」
((キット読者のみなさんもビックリしてる))
「(な、何が?)」
((知らない人、二人も出タ。しかも両方にキスされてルシ))
「(そ。そんなことも。あったねえ……)」
((しかも嫌がらないッテ何。作者もビックリしてル))
「(いや、書いてるの作者……あ。あと、これも読者さん気づいてるんじゃない?)」
((ん? ナニガ?))
「(だからそれ! あなたの声、最近ちょっと聞きづらくなってるんだけど!)」
((そうネ。ちょっト変換大変ナノよ))
「(いや、無理にしなくても……違うか。そういうことか)」
((ウン。そういうコト))
「(だから最近あんまり話せなかったんだね。突っ込みも不在多かったし)」
((…………))
「(あなたがここまでなっちゃうとなると、本当にヤバいかも……)」
((だからワタシも忠告しにきたヨ))
「(そうだよね、やっぱり。でもまだ理事長の願いが達成できてないし……)」
((ギリギリって感じダ))
「(そっか。それなら頑張れる。わたしも、まだみんなと一緒にいたいもん)」
((ワタシもそうさせてやりタイモン))
「(うん、ありがとう! ……また、大変になったら出てきてくれるんでしょう?)」
((そのつモリ。それ以外はモウ、ここでツッコまなイ))
「(わたしも気をつけるね。わざわざ話してくれてありがとう。天の声さん)」
((天……まあイイか。これだけは、言ってオク))
「(ん? 何。重要なこと?)」
((うん。これは知っておいた方がいイ))
「(……ごくん。な、何かね……)」
((……お○松〇ん、シントが録画予約しテタ))
「(マジかー! やっぱり電話しとけばよかったあー! ありがとうシント! メールで済ませてごめん!)」
帰ったら、存分に褒めてやろう!
給料も上げてもらえるよう交渉してやるからな!
と、心に決めた葵であった。
その後、先生の病室へ戻った葵。
「(あれ。オウリくんがいない)」
さっきまで眠っていたはずのオウリが、そこにはいなかった。
「(みんなはあのままか……)」
よっぽど疲れていたのだろう。カナデの家ではしゃぎまくり、ユズと会った時も、なんだかんだで遊びまくっていた。
「(ははっ。みんなの寝顔可愛いなあ~)」
今こそ写真に収めておきたいと思ってしまったけど、起こしちゃ悪いと思った。
先生が掛けたのであろう、毛布が擦れ落ちている人たちにしっかり掛け直してあげる。
「……みんな、ありがとう。こんなわたしの傍にいてくれて。我が儘、聞いてくれて。……あともう少しの辛抱だからね。それまでどうか、もう少しだけ。……わたしの我が儘に、付き合ってね」
葵は、開きっぱなしになっていた窓へ足を進める。
「……ねえ。あなたはしってる?」
葵は、ライブで歌った歌詞を、小さく呟いた。
「こんな素敵な物語。ひとつの花のお話を……」
葵は歌詞を口ずさみながら、窓の向こうの、真っ暗な世界を見つめていた。
「……花はどんどん黒くなる。汚くなる。小さくなって、最後は笑って消えるのよ」
葵はそう呟きながら、歌詞と同じように笑ってみた。
「だって花はっ。たくさんの花が幸せで。とっても。嬉しいのっ、だから……っ」
でも、上手く笑えなかった。
ううん。笑うことなんてできなくて、涙ばかりが流れてしまう。



