倒れてしまった葵は、すぐに来てくれた看護師に処置をしてもらい、簡易的に設置されたベッドで安静にしている。
今はまだ眠っている。真っ白なベッドの上で、真っ白な顔をして。
「……ねえ。一体今、あの子に何があったの」
「(ふるふる……)」
「おれはわかんなかった。あきクンは?」
みんなの視線がアキラの方へ向く。
「スマホを、見ていた」
「アオイちゃん、何を見てたの」
一体、何を見たというのか。見たくても、電源を入れて開くとパスワード画面になっていて、それ以上どうすることもできない。
「過呼吸になるほどの内容だったってことだよな」
「あっちゃん……」
みんなが心配そうに、横になっている葵を見つめる。呼吸はいつも通りだが、やはり顔色がよくなかった。
……――でも今回は、体が冷たかったわけじゃない。
きっとそう思ったのは、キサ以外の全員。
みんなが真剣な顔で悩んでいると、「はいはーい。ちょっとみんな、こっちに来てー」と、先生がみんなを呼んだ。
「いい? あおいさんが目を覚ました時、みんながそんな顔をしてると、心配を掛けてしまったって自分を責めてしまうと思うわ?」
「じ、じゃあどうすればいいんだよ……」
そう言うチカゼの姿は、何もできない自分を責めているかのようで、いつもより小さく見える。
「大丈夫よ柊くん。あなたが悪いことしたわけじゃないんだから、そんな顔しないの。あおいさんが目を覚まして一番に見るのが、あなたたちの笑顔だと彼女もとっても嬉しいと思うわ」
みんなは目を合わした後、苦笑いだったけど小さく笑った。
「(……それにしても……)」
先生は少しだけ険しい顔をした後、少し疲れてしまったので一度横になることにした。



