「……っ。なれるものなら。なりたい……っ」
「あおいちゃん⁉︎」
「あっちゃん⁉︎」
ぽろぽろ。ぼろぼろと。涙を零す彼女に駆けていき、ユズは葵の頭を抱える。
「(あおいちゃん。なんで泣いて……)」
「(あっちゃん。そう言うってことはやっぱり……)」
二人は目を合わせる。
――――きっと、同じことを思ってる。
「「(したくてもできない『何か』があるのか)」」
二人は流石にこれ以上講義はできないと断念。
でも少しだけ、もうちょっとだけ伝えておきたいことがあるユズは、葵の頭を撫でながら、ゆっくり話した。
「一番最初に言ったこと、覚えてるかな。あたしが、二人の間に割り込んできた時のこと」
葵は声を出さない代わりに、ユズの服をぎゅっと掴んでくる。
「(……あおいちゃん、こういう仕草がツボの子もいるって、わかってないんだろうなあ)」
的なことを考えていたら、キサが睨むように見てきたので、慌てて続きを話す。
「恋は落ちるもの。……恋と愛の違いって、あおいちゃんは知ってる?」
葵はただ、首を一回横に振るだけ。
「これは、一般的に言われてるものとあたしの考えが混じってるから、解釈はあおいちゃんに任すんだけど……」
一度断りを入れてユズが話すのは、『恋』と『愛』の違い。



