言い切る前に、アキラとカナデは猛ダッシュで葵を追いかけに行った。
「あれ? あんたらはいいの?」
キサは、ぴくりとも動かず自分の傍にいるツバサ、チカゼ、アカネ、オウリ、ヒナタに声を掛ける。
「おれら家遠いし~。稽古したからシャワー浴びたいもんね~おうり?」
「(こくこく♪)」
「アタシも~」
三人はそう言って歩き出してしまった。
キサの頭には案の定、ハテナが浮かんでいる。
「な、なんで追いかけないの?」
発破が足りなかったのかと三人にそう問いかけると、彼らは振り向きながら答える。
「俺は違う方面から攻めるから」
「おれらはおれらで考えがあるから~」
「♪~♪」
そう言った彼らの顔は、とっても大人びていた。
どうやら彼女のこととなると、彼らは子どもにも大人にもなれてしまうようだ。
昔からの友人の新たな一面を見られて、キサはなんだか胸がいっぱいに。
「それで? あんたらはどうするんだ?」
未だに動かないチカゼとヒナタに声を掛けるキサ。何故だか彼らの顔色はあまりよくない。
「オレらは帰って一眠りする」
「同じく」
そう言ってキサの腕を掴んで歩き出す。
「ええ?! ちょっと。手を取る相手間違ってる!」
そう言っても彼らは離そうとすらしてくれない。
「こっちは眠ぃんだよ。さっさと歩けや」
「キサ短足」
「うるさい!」
そう言いつつも、彼らはそわそわしているよう。
「ど、どうしたの……?」
顔色はあまりよくなかったけど、顔は真剣そのもの。
「……さっきあいつ、マサキさんと何話してたかわかったか」
「え? どういうこと?」
「多分だけど、何かマサキさんに言われてた。……その後、一瞬空気が張り詰めた気がして」
「(どうしてそんなことまでわかるのよと、存分に突っ込みたいところだけど)」
葵のちょっとした変化にも、気づいてしまうんだろうと思うと、嬉しい気持ちでいっぱいになる。
「あいつ、またなんか隠してるぜ」
「アキくんとカナは、送りたかったのもあると思うけど、またなんかあっちゃいけないと思って追いかけたんだと思う」
「そうだったのか。じゃあさっきの三人は?」
キサが尋ねると、二人はなんだか呆れたような顔に。
「あいつらも多分送りに行った」
「へ? でも全然違う方に……」
「わからないようについていくつもりだと思う。何かあったら飛び出せるように。言わなかったのは牽制じゃない?」
「……牽制?」



