「カナデくん! 今わたしがシオンさんとお話ししてるんだから邪魔しないでっ!」
(※主に今後どうするかの話し合い)
するとカナデは一歩また一歩と下がり、トボトボ……と自分の席について、チビチビご飯を食べ始めたのだった。
「……アオイちゃん、今のが一番誤解だと思うよ」
「ええ?! なんでですか⁉︎」
「アオイちゃんが俺に好意を寄せてるみたいだったからかな~」
「そんな事実一切ありません」
「うん。わかってるけど、至近距離の真顔はすごい複雑だよ」
「しょうがないです。でも、こればっかりはシオンさんの手をお借りするしか他に方法が」
「別にいいのに。俺も好きでやっちゃったし。気にしないで?」
「でも……」
シオンは葵を膝の上に乗せて、頬に手を伸ばしてくる。
梳かすように耳に髪を掛けながら、ふっとやさしい笑みを浮かべた。
「これぐらいはどうってことないよ。カナデとも向き合えたし。それに面白いし」
「絶対最後のが本音じゃないですか」
「超優越感。超楽しい」
「……じゃあ、きっとすぐ収まると思うんですけど、それまでお願いします」
「いいえ~? だって、つけちゃったのは本当だしね?」
「はい? 今、なんて?」
彼はにやっと笑って、葵の印があるところをツンツンする。
「だって。ついてたからムカついちゃって。俺の上書きしちゃった」
「はああああ!」
勢いよく立ち上がった葵は、彼の頭目掛けて回し蹴り。一瞬の出来事に、まわりのみんなは恐らく何が起こったのかわからなかっただろう。さっきまでイチャイチャしている風に見えていたのに、突然葵が蹴り飛ばしたんだから。
「調子に乗んなよ、このバカ親父」
流石は組長。回し蹴りを食らう寸前で、両腕で頭を保護したが、勢いがあまりにも強かったので、組の人たちのところまで吹っ飛んでいた。
「お、お~い葵ちゃん? 何があったんや」
「マサキさん。あなたもああなりたくなかったら、このことに関しては口を挟んでこないでください」
「……は、ハイ」
その様子を見ていた組の人たちと生徒会メンバーも、震えながら頷いていた。
葵は吹っ飛んだ彼の元へ足を進める。彼も初めは震えていたが、目の前にしゃがみ胸倉を掴んでくる葵の表情が本当に嬉しそうな顔で。



