「(ありがとう怪盗さん。……ありがとう)」
葵はギュッとスマホを握り締めた後、力強く立ち上がる。
「(よしっ。元気をもらったし、意図せず怪盗さんの番号ゲットだぜっ!)」
葵はなんだか上機嫌で、来た道を引き返す。
「(今すぐ掛けたくなってしまうけど、わたしも変わらないと。でも、どうしても気持ちに押し潰されそうになった時は、申し訳ないけどあなたの手を借りることにします)」
葵はそう決心して、一歩一歩を力強く歩く。
「(きちんと応えよう。カナデくんにも、アキラくんにも。わたしの、本当の気持ちを。……わたしもちゃんと考えよう。彼らの気持ちをっ)」
昨日朝食も準備してくれると言っていたので、お言葉に甘えることにしていた。
「(一旦家に帰って、服を着替えてからまた集合だ)」
どうやらみんな、カナデの元彼女と先生に会いに行きたいみたいなので、葵もそれに便乗してついていくことにした。
「(どんな人たちなのかな~? そういえばカナデくん、返すものがあるとか何とか言ってたけど……)」
葵はシントに今日の予定をメールしておいた。
「(さ。取り敢えず、着替えて朝食の準備でも手伝いましょうか)」
そうして葵は、さっきまで寝ていた部屋の戸を開けた。



