『それではもう一つ、賭けをしましょうか』
電話から聞こえる声は、どこか楽しそうだ。
『私が運命を変えた時、あなたは逃げずきちんと向き合ってください』
「……どういう、ことですか……?」
『好きになった相手に、自分の気持ちを伝えてみませんか』
「……! い、いやです!」
『おや。それは何故?』
「そんなの。……は。はずかしい。から……」
想像しただけで顔を真っ赤にしていると、何故か向こうの彼は黙ってしまった。
「(あ、あれ? どうしたんだろう)あの……?」
『今すぐ抱き締められたらいいのに』
「――!」
耳元で聞こえる声に、驚いて声が出ない。
『すみません。取り乱しました』
彼は『コホン』と言った後、また話し出す。
『大丈夫です。必ず応えてくれますよ』
「そ、それでもっ。わたしは……」
『あなたはいつも強気で勇ましいのに、こんな時は臆病になってしまわれるのですね』
「――……っ」
『大丈夫ですよ。だってあなたは、私を好いてくれるのだから』
「……へ?」
『お忘れですか? 言ったでしょう。変えられた時、あなたは私を好いていると』
「え。……ええ。そういえば」
『私はあなたが好きで好きでしょうがないですから。臆病なあなたごと、包んであげますよ』
「……ぷっ」



