「……うっわ。美人だと思ったらオカマとかショックー……ガクッ」
「ああん?」
ツバサはぺしんッと葵の頭を叩く。
「起きたんならさっさと起きろやコラ」
一度がくっと意識を失ったが、葵はもう一度目を開けた。
「……あ、れ。ここ、は……」
「アオイちゃん!」
「気づいたか!」
葵はさっきまで一緒にいた二人に焦点を合わせる。
「……し、おん。さん……」
「うん。なに?」
「まさきっ、さんっ!」
「うおっ!」
葵は二人を、今出せる精一杯の力で引き寄せる。
そして、彼らの耳元で囁いた。
「……さっきのことっ。みんなにはっ、言わないで……」
本当に小さくて。消え入りそうな声で。彼らだけにしか聞こえないように、葵はそう言った。
葵は、そのままシオンの肩口に頭を乗せたまま気を失ってしまったが、もう浅い息でもなく冷たくもなかった。
「アオイちゃん……」
「……すまんなあ」
葵のその声に、彼らは答えることはなかった。



