すべてはあの花のために③


「「お前ら下隠せーッ!」」


 何故かカナデ父とマサキが露天風呂に入って、勢いよく湯に飛び込んできた。そのまま温かい湯が出てきているところまで、何かを担ぎながら急いで駆けていく。


「え。親父、いきなりどうし――」

「アオイちゃん! しっかりして!」
「葵ちゃんしっかりせえ!」


 二人のその声で抱えられてるのが葵だと知った男共は、彼らに言われたとおり慌ててタオルで下を隠した。


「……あおいチャン、もしかして冷たくなってますか!?」


 アカネのその言葉に、みんなが驚く。
 そのあと、その状態になった時傍にいたことのあるカナデとヒナタ。それから、知ってはいたアキラとツバサが目を細くした後、二人の方へ駆けていく。
 チカゼとオウリは全く知らなかったので、二人はぽつんと取り残された状態だったが、取り敢えずみんなのあとをついていった。


「取り敢えず、温めんとと思うてここまで連れてきたけど……」

「……ッまだ冷たい」


 葵はお湯に浸かっても、まだつらそうに息を吐くだけで、こちらの声は聞こえていないようだ。