すべてはあの花のために③


「葵ちゃんのその強さの秘密はなんや」

「昔、ある方に教えていただきました。自分の身を自分で守れるように。それが理由で、最初は初めました」

「最初は、ってどういうこと」

「……ある時からは、『強くならなければいけなかった』ので」


 葵は目を閉じた。
 だから、この質問もここで終わりだ。


「それじゃあ、アオイちゃんのその異常なほどの記憶力や洞察力、推理力はどこで培ったの?」

「…………」


 葵は初めて黙り込んでしまった。
 話そうかどうか迷っているようだった。


「……生まれ持った能力、でしょうか」


 苦しそうに、葵はそう言った。
 これが、彼女が話せる限界のようだ。


「ありがとう。じゃあ最後に一つだけ。ここに嫁ぎに来てくれる?」

「は、はひ?」


 何をまたそんな冗談を言っているのかと思ったけど、どうやら彼は真剣のようだった。
 マサキもどうやら聞きたかったことみたいで、全くと言っていいほど驚いていない。